個人的な練習内容をブログに書いてもあまり需要はないとわかっているけど、今日は20km走る予定が調子が上がらず6.5kmで切り上げる羽目になってしまった。

調子が上がらず、というのは具体的にはお腹の調子が悪かった。何を隠そう僕はランニングにおいてよくお腹の調子がすぐれずパフォーマンスを大きく低下させることがよくある。トライアスロンのレースでもバイクパートまでかなり順調にこなせていても、ランに入った瞬間お腹が痛くなりリタイアした経験もある。

 

スイムやバイクでは体への衝撃がそれほど多くないのであまり気にならないのだが、ランニングは一歩一歩の衝撃を体全体で受けるので、内臓の調子が悪いと一歩一歩がボディーブローのようにお腹にダメージを与えるという感覚だ。

こうなるともう長距離を走ることはできない(僕の場合は)。もちろんペースをかなり落とせば走れるが。

エンデュランス系スポーツは内臓に負担がかかるスポーツなので、筋肉疲労だけでなく、内臓疲労もしっかりコントロールしてレースに臨む必要がある。

 

さて、今日の練習だけど、お腹の調子が悪かったのは朝食の消化がしっかりできずにいた状態でレースペースで走り出してしまったのが原因だと思う。

そう、僕は最近主食を白米から玄米に変えたのだ。玄米は白米より優れている点がかなり多いが、消化に関しては白米に軍配があがる。

朝食に玄米を食べて(いつものように朝食はたくさん食べる)、走り出すまでに消化しきれていなかったのだと思う。

今日やろうとしたメニューはこなせなかったけど、これがレース当日出なくてよかったし、レースに向けた食事面の調整を考えるきっかけになったのでポジティブに捉えよう。

 

前置きがかなり長くなってしまったけど、今日はランナーにとっての玄米食の功罪について考えてみようと思う。

白いものは良くない

最近増えている玄米食、普段主食として食べている白米を玄米に変えてしまおうという食生活。

現代の健康ブームにおいて“白いものは良くない”という鉄則のようなものがある。白いもの全てが良くないというわけではなく、白米や小麦、白砂糖が体に良くないということ

何年か前に、テニスのジョコビッチが小麦を痛烈に批判した本が話題になった。

ジョコビッチがグルテンアレルギーであることを考えると、ジョコビッチが小麦やグルテンをやめてパフォーマンスが見違えるほど向上したことにはとても納得ができる。

一方、グルテンアレルギーでない人が必要以上にグルテンフリーを追い求めも大きな効果がないのではないかと思われる。

本の中で”白いものは良くない”ことには触れられていて、小麦なら全粒粉を薦めている。ジョコビッチは炭水化物は全粒粉・キヌア・そば粉などから主に摂取しているようだ。この点は栄養学の観点からとても納得がいく。

白米よりも玄米

単純に栄養素を比べてみよう。圧倒的に玄米が優れているのは一目瞭然。

成分(100gあたり) 白米 玄米 対白米比
エネルギー(kcal) 356 348 0.98倍
炭水化物( g ) 77.1 71 0.92倍
食物繊維( g ) 77.1 71 2.85倍
タンパク質( g ) 6 10 1.67倍
脂質( g ) 0.9 2.7 3.00倍
ビタミンB1(mg) 0.08 0.41 5.13倍
ビタミンB2(mg) 0.02 0.04 2.00倍
ナイアシン(mg) 1.2 6.3 5.25倍
ビタミンB6(mg) 0.1 0.5 5.00倍
ビタミンE(mg) 0.2 1.3 6.50倍
葉酸 (μg) 12 27 2.25倍
カルシウム(mg) 5 9 1.80倍
鉄(mg) 0.8 2.1 2.63倍
マグネシウム(mg) 23 110 4.78倍
リン(mg) 94 290 3.09倍
カリウム(mg) 115 230 2.00倍
亜鉛(mg) 1.4 1.8 1.29倍
マンガン(mg) 0.8 2.05 2.56倍
パントテン酸(mg) 0.66 1.36 2.06倍

 

ただ、僕が主食を白米から玄米に切り替えた最大の理由はGI値によるところが大きい。

低GI食品である玄米

GIとはグリセミックインデックスの略で、食後血糖値の上昇度を示す指標のこと。

つまり、GI値が高い食品は食後の血糖値が上がりやすく、低い食品は血糖値が上がりにくいということ。

GI値が70以上で高いと言われている中、白米のGI値は81

一方の玄米のGI値は55

 

白米のGI値が高くて玄米が低いのは一目瞭然だけど、GI値が低い、つまり血糖値が急激に上がらないことの何がいいのか?

血糖を下げるインスリンの多量分泌はランナーにも良くない

人間は血糖値を一定に保とうとする。

そのため、血糖値が上がるとインスリンが分泌されて血糖値を下げようとする。

その方法は血糖をエネルギーに優先的に使用させる他、エネルギー需要がなければ血糖を中性脂肪に変え体に溜め込みます。

ランナーにとって糖質はとても重要なエネルギー源だが、人間が体の中に溜め込める糖質の量には限度がある。なので、なるべく糖質を節約して脂質からエネルギーを作り出したいわけだが、インスリンが出てしまうと糖質を優先的に使ってしまうのでランナー的には好ましくないというわけ。

また、血糖を中性脂肪に変えてしまうのもランナー的に(一般的にも)良くない。なにせ、体重1kgあたりフルマラソンのタイムが3分変わると言われているくらいですから。

 

ここで疑問なのが、レース中に補給するジェルは問題ないのか?ということ。

運動中は血糖値が上がりにくい

結論から言うと問題ない。

確かにジェルのほとんどは単糖類で消化・吸収が速く通常ならば血糖値が急激に上がる食品になる。

ただし、そもそも運動中というのは血糖値が上がりにくい状態。糖質を常時使っている状態なので当たり前ですね。

なので、レース中は基本的に血糖値のことを気にする必要はないし、むしろ消化吸収の速い単糖類のジェルを使うことが大事というわけだ。

玄米唯一と言っていいデメリットは消化にエネルギーを使うこと

玄米が美味しくない、というのは個人差もあるし脇に置いておこう。

個人的には玄米が美味しくないとは思わない。もちろん白米の方が美味しいとは思うが・・・

玄米のデメリットは消化にエネルギーを使うこと、つまり内臓に負担をかけること。

ただでさえマラソンは内臓に負担をかけるのに食事までも内臓に負担をかけていたら、内臓的には二重の攻撃を受けることになる。

僕みたいに内臓があまり強くない人からするとたまったもんじゃない。

今日の練習のように走ってる最中にお腹が痛くて力が入らなくなってしまう。

克服方法は、胃を強くするとかあるかもしれないけど、現実的なのは食事と運動する時間を調整することだと思う。レースが近い時ならなおさら。

僕の場合は最近はレースが近づくと胃腸薬を飲んで消化で問題が起きないようにするけどね。

まとめ:玄米をうまく活用しよう

ということで、栄養満点で低GIな玄米は基本的にはとても良い。

ランナーでもうまく活用していくべきだ。

問題点は消化の悪さで胃腸に負担がかかること。この問題点をしっかり理解した上で、食事と練習のタイムスケジュールを組み立てた方が良さそうだ。もちろん自分の胃腸の強さと相談しながら。